2025年11月に登場したニコン Zfのシルバーモデル。このカラーがもたらしたのは、単なる新色としての華やかさだけではありません。
ブラックモデルの際は、ボディもレンズも同じ「黒」だったため、トータルでのまとまりが保たれていました。
しかし、ボディが鮮やかなシルバーになったことで、「現代的なZレンズの造形ラインが、クラシカルなボディに噛み合わない」という本来のデザインギャップが、よりダイレクトに目立つようになったのです。
現代のZマウントレンズは、Z 6IIIやZ 8といった最新ボディに合わせた「モダン&シームレス」な直線デザインで作られています。そのため、ダイヤルや革シボを持つクラシカルなZfボディに装着すると、どれだけレンズ性能が良くても、時代の異なるパーツを組み合わせたようなチグハグ感が生まれてしまいます。
シルバーモデルの登場は、単に色の選択肢を増やすだけでなく、このデザインラインの違いを改めてクッキリと浮き彫りにすることになりました。
「SEレンズ」以外のAF選択肢が少ないという現実
このミスマッチを回避するための純正回答が、フィルム時代のデザインを模した「40mm f/2(SE)」や「28mm f/2.8(SE)」といったヘリテージデザイン(SE)レンズです。
これらを装着すれば、外観のまとまりは良くなります。しかし、SEデザインを採用したAFレンズの選択肢自体が、現状ではまだ少ないという側面があります。
「もう少し明るい大口径単焦点が使いたい」「広角や望遠ズームを使いたい」と思った瞬間、ユーザーはモダンデザインの標準Zレンズを選ばざるを得なくなります。
「見た目を整えたいなら選択肢が限定され、実用的なレンズを選ぶとデザインが犠牲になる」というジレンマは、Zfユーザーにとって地味ながら避けて通れない壁となっています。
Nikon Z f

アダプターやMFレンズに流れるユーザーたち
こうした背景から、見た目の統一感を何よりも重視する層は、ニコン純正のAFレンズを離れて別の選択肢を探すことになります。
コシナ(フォクトレンダー)のようなクラシカルな金属鏡筒を採用したZマウント用MFレンズを選んだり、ライカMマウントのオールドレンズを変換アダプター経由で装着したりするスタイルです。これならZfの世界観を損なわずに完璧なスタイルを構築できます。
しかし、この場合はマニュアルフォーカス(MF)での撮影になるため、「やっぱりAFで手軽にスナップを撮りたい」という日常使いの利便性を少し犠牲にすることになります。
結論|Zfの世界観に寄り添う「デザインライン」の拡充に期待
Zfのシルバーモデルは、ニコンの名機FM2を思わせるクラシカルな外観とダイヤル操作の質感も含めて、カメラ単体としては非常によく作られています。
実用性や使いやすさ自体は既存の現代的なZレンズで十分に満たせるからこそ、ユーザーが求めているのは「このボディに納得して装着できる、Zfの造形に馴染むデザインのAFレンズ」です。
今後、ニコン純正やサードパーティからZfの世界観に合うAFレンズが増えてくれば、見た目も含めて満足して使える選択肢がより広がっていくはずです。
Zfシルバーと「デザインの親和性」が高いおすすめレンズ3選
現状のラインアップの中から、Zfシルバーの持つクラシカルな世界観を損なわずに楽しめる相性の良いレンズを3つピックアップしました。
1. NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
フィルム時代のマニュアルレンズ(FM2等)のローレット模様を踏襲したヘリテージデザインレンズです。黒鏡筒でありながら、コントロールリングにシルバーの飾り環(銀色のサシ色)があしらわれているのが最大の特徴。
これがシルバーZfのボディカラーとリンクし、黒レンズでありながら一体感のある見た目を生み出してくれます。日常のスナップに最適な、文句なしの筆頭候補です。
Nikon NIKKOR Z 40mm f/2

2. NIKKOR Z 28mm f/2.8(SE)
40mm(SE)と同じく、クラシカルな造形と銀色の差し色リングを備えた広角単焦点レンズです。デザインの傾向がZfボディと揃っているため、装着したときの一体感があります。
薄型軽量で持ち出しやすいため、旅行や街歩きスナップでAFを手軽に使いたい場面に向いています。
Nikon NIKKOR Z 28mm f/2.8

3. フォクトレンダー NOKTON 40mm F1.2 Aspherical(Zマウント)
「AFを捨ててでも、完璧な外観の一体感と金属の質感を追求したい」という人への選択肢です。
真鍮ダイヤルを持つZfシルバーに負けない高品位な金属鏡筒を備えており、絞りリングやピントリングの操作感も含めて「道具としての所有感」を満たしてくれます。
MF専用にはなりますが、電子接点対応でファインダー内の拡大やアシスト機能が使えるため、じっくり構えて撮るスタイルにぴったりの1本です。

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