2025年2月20日、キヤノンは新型コンパクトデジタルカメラ「PowerShot V1」を発表しました。
(本日2月26日、キタムラやマップカメラで予約受付が始まりました。価格は133,650円となっています。)
このモデルは、性能、サイズ、価格などの面で、ソニーの元祖Vlogカメラシリーズの1型コンデジ「ZV-1ii」と大人気のAPS-Cミラーレス「ZV-E10ii」の中間に位置付けとなるよう作り込まれており、ひとつのカメラで写真も動画も手軽にこなせるオールラウンドな性能を備えています。
本記事では、「PowerShot V1」の魅力や特徴を紹介します。
デザインと外観
本体のデザインは、キヤノンのPowerShotシリーズらしさを受け継いでいます。以前、私もPowerShotシリーズのコンデジを使用していましたが、このレンズガードの羽の形状とか懐かしいですね。
また、熱対策として冷却装置が搭載されているため、カメラ全体に奥行きがあり、ややでっぷりとした外観となっています。
センサーと画質性能
搭載される1.4型センサーは、サイズが約18.5×12.3mm(面積227.55mm²)です。
一方、マイクロフォーサーズ規格のセンサーは17.2×13mm(面積223.6mm²)(参照:ASCIIデジタル)なので、比較すると、横幅は1.3mm広く、縦は0.7mm短くなっています。
結果として、全体の面積はややマイクロフォーサーズセンサーよりも大きくなっています。ちょっと大きくしてくるのがにくいですね。
最大で約2230万画素の静止画を撮影できます。また、ISO感度は100から32,000まで幅広く設定できるため、暗い場所でもノイズも抑えて鮮明な写真が撮れる設計になっています。
1型センサー搭載のコンデジと比べても大幅な画質向上が期待でき、RAWで14bit撮影が可能なため、キヤノンならではの豊かな色再現性を存分に楽しめそうです。
キヤノンがマイクロフォーサーズカメラを作る日!?
ところでキヤノンは、2025年1月に4.1億画素のフルサイズセンサーを開発したことを発表しました。マイクロフォーサーズセンサーのサイズはフルサイズの約4分の1ですが、4分の1で換算しても約1億画素相当、将来的には1億画素のマイクロフォーサーズのカメラが登場しても不思議ではないですね。
1億画素あれば、個人用途としてはさすがに十分すぎる解像度でしょう。そうなったらマイクロフォーサーズ規格も見直されるかもしれません。
キヤノンがマイクロフォーサーズへ進出ってこともなきにしもあらず!?かもしれません。
映像エンジンと動画性能
最新の映像エンジン「DIGIC X」を搭載
PowerShot V1には、キヤノンの最新映像エンジン「DIGIC X」が搭載されています。このエンジンは、フラグシップモデルのR1、R3、R8などにも採用されており、高い処理能力を持ちます。
キヤノンはエントリーモデルにも最新の映像エンジンを搭載してくれるため、初心者でもハイレベルな撮影体験ができるというのはありがたいですね。
既存のカメラシステムをお持ちの方も、V1はコンデジなのでマウント変更の必要がありません。キヤノン独自の写りを気軽に試したい方向けのエントリーカメラとしても最適かもしれません。
動画撮影向けの充実した機能
PowerShot V1は、動画撮影向けの機能も充実しています。ファインダーはこれまでのPowerShotシリーズと同様に非搭載ですが、バリアングルモニターを搭載。モニターの画素数はPowerShot G7 X Mark IIIと変更なしの3型104万ドットですね。これはZV-E10II(103万6800ドット)とほぼ同等です。
また、長時間の動画撮影に対応するため、冷却クーラーを内蔵しているのも大きな特徴です。この冷却機構により、4K30Pの動画を2時間以上撮影できるとされており、熱による撮影時間の制限を気にせず使用できる点は大きなメリットでしょう。
レンズ性能とズーム域
搭載されているズームレンズは、フルサイズ換算で17~52mmの標準ズーム域をカバーし、F2.8~F4.5の明るさを実現しています。
ソニーのZV-1(F1.8~F2.8)と比べると、やや暗めの設計ですが、その分センサーサイズが大きく、高い暗所性能を発揮するため、夜間の撮影でも十分な明るさが期待できます。
サイズと重量
本体サイズは約118.3×68.0×52.5mmとコンパクトながら、冷却クーラーや大型センサーを搭載しているため、PowerShot G7 X Mark IIIより一回り大きくなっています。
バッテリー込みの重量は426gで、これはZV-E10IIにキットレンズ「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS II」を取り付けた重量より約60g軽い重量感です。
※PowerShot G7 X Mark IIIは、約105.0×約60.9×約41.4mm、重量約304g
シャッター機構とその他の機能
シャッターにはメカシャッターも採用されており、1/2000秒の高速撮影が可能です。
電子シャッターでは最高で1/16000秒までの高速なシャッタースピードが設定できます。
価格と市場での位置づけ
キヤノン公式オンラインショップでの販売価格は148,500円と、コンデジとしてはやや高めに設定されています。
※2025年2月26日時点でマップカメラやキタムラでの予約受付価格は133,650円となっています。
この価格帯であれば、ZV-1やZV-10の強力なライバルとなる可能性が高く、今後の市場の動向が注目されます。
まとめ
「PowerShot V1」は、動画撮影機能を大幅に強化しながら、大型センサーを搭載することで静止画の性能にも期待が持てるコンデジです。冷却クーラーを内蔵しており、長時間の動画撮影が可能で、さらに最新のDIGIC Xプロセッサによる高性能処理が大きな魅力となっています。
一方で、高級モデルとしては防塵防滴性能が搭載されておらず、ズームレンズ仕様のためホコリの侵入が懸念される点もあります。
今人気のソニーのVlog用カメラだけでなく、私が好むマイクロフォーサーズ市場にも影響を与える可能性がある、注目すべき一台と言えるでしょう。
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